サラリーマンの資産形成 ネガティブ不動産利回り計算
中古区分マンションに投資を始めて10年目です。
現金比率高めで物件を集めており、既に残債は0円です。
家賃は概ね維持、物件価格は上昇傾向。
売却すれば結構な利益を得られる様に思えます。
悪い内容ではありません。
もう少し追加で物件が欲しいと思っているわけですが。
上昇傾向の物件価格が問題です。
売る立場であればホクホクでしょうが、買う立場からすれば困った状態です。
物件価格は勝手に上がっても、家賃は勝手には上がりません。
つまりは利回り低下です。
そして最近の実利計算だと、なかなかシビアな数字が見えてきます。
首都圏で中古区分マンションを探すとして。
最近だと、物件価格1000万円、表面利回り7.2%、築27年。
まあ探せばありそうな数字です。
印象的には悪くないと一瞬思えるわけですが。
実際に物件を買うとすると、こうなります。
まずイニシャルコスト。
物件価格だけでは終わりません。
仲介手数料だの、登記費用だの、不動産取得税だのが上乗せです。
登記費用は定価が無いので、概算になります。
そしてランニングコスト。
毎月の管理費や修繕積立費、毎年の固定資産税。
物件管理の契約次第では、さらに管理手数料を取られます。
諸々計算すると、表面利回り7.2%は、実利で言えば5%程度です。
先々で家賃値上げを見込めれば良いですが。
さらに不動産には空室リスクもあります。
特にワンルームであれば、ある程度の入れ替わりは覚悟すべきなのでしょう。
退去があればクリーニングで5万円くらいでしょうか。
空室期間もランニングコストはかかります。
さらに募集広告費で家賃1か月分。
何だかんだでさらに利回りは落ちるのですね。
全てを割り切るとします。
実利5%は無理として、実利4.5%で見ておこう!45万円で良しとしよう!
しかし、出口を考えた時にどうなるか。
ざっくり計算してみると?
実利4.5%で10年所有したとして、単利積み上げで45%。
そして物件を売却する際には減価償却10年です。
単年での償却額は30万円程度でしょうか。
1000万円の物件は帳簿上では700万円となり、300万円の譲渡益が発生します。
譲渡益税の税率は5年超だと20%程度。税金60万円。
さらに再度の仲介手数料。大体40万円。
計100万円。
実利4.5%での約2年分の利益が飛びますね。※ざっくり計算ですよ!
つまり、10年で手元に残る利益は4.5%×(10年-2年)で36%。
10年で均すと3.6%。
買値と同額で売れてこの数字です。
売却価格が低ければ、さらに数字は落ちるのでしょう。
もはや株やJREITの方が有利と見える数字です。
売らなければ家賃は入り続けるはず?
築年数何年までなら勝負出来るのか。
40年?50年?そしてその際の出口は?
そんなことを考えてしまう数字です。
とはいえ。
この先の不動産相場や証券相場がどうなるのか。
先のことは誰にも分からないのですね。
今日の高値は明日の安値かもしれません。
不動産価格もインフレするのかもしれません。
家賃が上がらないのであれば、キャピタルゲイン狙いの投資?
先が見えないからこそ悩むわけですが。
仮に高値を掴んでしまったとしたら?
手持ち物件総じてで見れば、まだ余力はありますね。
上値を追うのが投資の王道?
そういう考え方も知っています。
悲観だけでは投資は回らないのかもしれません。
しかしどうするべきなのか。
不動産投資は難しいですね。
悩み中。