サラリーマンの資産形成 ギャンブルと投資の違いは？
ギャンブルと投資は何が違うのかと考えたことがあります。
以前、競馬のシステム売買で儲けた方が、追徴課税で苦しんでいるというニュースがありました。
取り組みによって勝率を上げられるかどうかについては、分からないものも多いのでここでは書きません。
自分は競馬はやったことがありませんが、システム売買で儲けられる世界なのかと驚きました。
問題になっていたのは、はずれ馬券の扱いです。
システム売買ですから、総合的に見れば勝てるであろうという形で馬券を大量に購入するのでしょう。
当然はずれの馬券も大量に出てくるわけです。
株式的な考え方では、馬券に投じた総額に対して得られた利益に課税です。
しかし、どうやら馬券の場合、儲かった馬券のみに対しての課税となる様です。
違いはこうなります。
通算１億円を投じて勝率３割で1.2億円になったとして。
株式的な考え方であれば１億円を投じての利益が2000万円です。
しかし馬券の場合は、7000万円分のはずれ馬券は考慮されず、3000万円分の当たり馬券で1.2億円を稼いだという部分のみが注目されるようです。
すると3000万円の投資で9000万円の利益があったということになり、55%の徴税です。
とはいえ実質の利益は2000万円しかないから支払えないという内容でした。
当時の記事を検索してみると、一時所得として扱うか、雑所得として扱うかの見解の相違だった様です。
そしてその後、折り合いは付いた様子の続報もありましたが。
ギャンブルと投資は何が違うのか。
日本にも色々なギャンブルがありますね。
少し調べてみたところ、それらしいサイトもいくつかあったのですが。
整理を兼ねて表にしてみました。
表にしてしまうと、投資と言われる株式やFXの特徴的な部分としては、控除率と課税方式でしょうか。
そして監督省庁。
書いて並べていて面白くなってしまいましたか、各省庁で対抗して賭場を開いているイメージですね。
お客さん！こっちの方が面白いよ！みたいな呼び込みもあれば最高です。
控除率。
これは胴元の取り分です。
要は、株やFX、仮想通貨については、売買手数料やスプレッドはあるとしても、投じた額は相場に翻弄されるだけで、胴元がお金を召し上げる様なことはありません。
しかし他のギャンブルは、全て胴元が一定割合を召し上げてしまいます。
そして残ったお金を他の参加者同士で奪い合うという図式になるのでしょう。
宝くじは無駄という意見を聞くこともありますが、この数字を見れば確かにとも思えます。
でも買っちゃいますけどね。
課税方式。
金融の分離課税であればどれだけ稼いでも利益の20%で済みますが、総合課税の場合は累進課税です。
最初に書いた馬券システム売買での徴税問題は、総合課税の中でのさらに細目、一時所得か雑所得かの問題の様ですが、記録を残して事業的に取り組めば雑所得としてはずれ分を経費計上出来るのかもしれません。
なぜか宝くじとtotoは無税です。変な偏りですね。
投資上限。
良い文言を思い付かなかったのですが、投資額に制限があるかどうかです。
例えば100万円を投資したいと考えたとき、パチンコだけは直ちに100万円を投資とはいきません。
控除率の面では他と比べて有利な様ですが、大金を投じるには向かないギャンブルなのかもしれません。
全体通じて見ての感想です。
将来の価値が不明なものに資金を投じる。
そういった視点では、投資もギャンブルも似ていますね。
最初に書いた競馬の様に、データによって勝率を分析できるのだとすれば、ここも似ていると思えます。
では投資と言われる株やFXは何が違うのか。
控除率や課税方式の点で、他と比べての優位性があります。
逆を言えば、他のギャンブルについても、控除率や課税方式が改善されたとしたら、もしかしたら収益源として考慮できるものになるのかもしれないなと思ってしまいました。
そんなわけで。
ギャンブルと投資は何が違うのか。
投資は立派。
ギャンブルはだらしない。
そんな一般論もあるのでしょう。
しかし冷静に見れば控除率と課税方式くらいしか違いは無い様に思えます。
経済新聞を見て株式やFXに取り組む投資家。
競馬新聞を見て競馬に取り組むギャンブラー。
どちらが正しいなんてのは無いのでしょう。
最初に書いた通り、競馬のシステム売買で利益を上げていた人は確実にいたわけです。
そして株式やFXに雑に取り組み損を広げる投資家も多いと思えます。
そう考えると。
株式やFXに取り組むギャンブラー。
競馬に取り組む投資家。
実際にはこんな図式も普通にあり得るわけで。
ギャンブルと投資の違いは何なのか。
結局は利益のために真剣な取り組みをしているかどうか。
そんな程度の違いなのかもしれません。
