資産課税対策で不動産?
資産課税?が話題です。
正確には直接的な資産課税の議論とは少々違う様ですけど。
流派としては格安社会保障に乗り続けたい派と、とにかく資産の目減りを回避したい派が居るのでしょうか。
見てみればこんなことを書いている人たちも。
「不動産を持っていても非課税世帯になれる!」
「金融資産を売って不動産に変えよう!」
・・・
何だか少々ピントが外れている様な気も。
自分は資産の半分程度を収益用不動産として抱えています。
税も相応に納めてきました。
そんな立場から少しばかり書いておきたいと思います。
Q1.不動産はいくら持っていても非課税世帯?
正解と言えば正解ですが意味のない正解ですね。
仮に1億円分の不動産を持っていたとします。
そして自分で住んだり放置したりで誰にも貸さずに抱えておくとします。
この場合の不動産からの所得は0円。
所得税は非課税。
つまり所得0円で非課税世帯達成!やった!
・・・これ嬉しいのでしょうか。
何も嬉しくないですね。
不動産には毎年ガツンと固定資産税がかかります。
固定資産税とは?
言ってしまえば不動産への資産課税そのものです。
つまり不動産は既に資産課税徴税の対象です。
不動産を抱えつつ固定資産税に対抗するには?
不動産から収益を上げるしかありません。
それには人に貸して賃料を得るのが一番手っ取り早いです。
賃料を稼ぐとどうなるのか?
それは総合課税の所得です。
賃料の扱いは給料や年金と同列です。
稼ぐほどに健保も住民税も上がりますよ!
Q2.金融資産を不動産に変えると資産課税から逃げられる?
Q1で書いた通りですね。
そもそも不動産は既に資産課税的に固定資産税を徴税されています。
金融資産と比べて何がお得なのか?
残念ながら自分にはお得ポイントが分かりません。
Q3.不動産を貸して稼いでも非課税世帯で社会保障格安?
これもQ1で書いた通りです。
賃料の扱いは給料や年金と同列です。
稼ぐほどに健保も住民税も上がりますよ!(二度目)
確かに築古アパート投資で減価償却を短期で多額で進めることで所得を極端に抑える技もあるのでしょう。
しかしそれは到底一般的とは思えません。
Q.要はどうなの?不動産はダメなの?
社会保障や税の負担から逃がれたい!
そんな視点で見るのであればほとんど意味が無いでしょう。
例えば預貯金を取り崩してのタケノコ生活。
例えば株の配当を分離課税で受け取っての配当生活。
この2例は今の制度では社会保障費格安です。
預貯金を3億円持っていようが、分離課税の配当が年収3000万円だろうが、低所得です!住民税非課税です!となるルールです。
結果として社会保障費は格安です。
え?それってアンフェアじゃないの?
持たざる立場から見れば、そんな風にも見えるのでしょう。
なぜこんなことが起こるのか。
住民税や健保は給料・年金・不動産等から得られる所得で数えるルールになっています。
配当金はいくら稼いでも関係なし。
そういうルールです!以上!
単にそれだけの話ですね。
~
自分はどう思うのか。
預貯金への課税については到底理解出来ません。
怠惰なキリギリスを地道に積み上げたアリが助ける義理は一切ないと思えます。
しかし。
株式の配当や売却益に関しては今後NISAで一定の非課税枠も担保される予定です。
であれば枠を超える利益に対しては累進課税+相応の社会保障費の負担くらいは担っても良いのかなとは思えます。
今の制度の問題点は?
極端に小さな負担で極端に大きな受益が許されてしまう歪さがあるわけです。
結果的にはタダ乗りに近い人たちが増えすぎて制度の維持が困難になりつつあるのは事実です。
資産課税に近い議論も仕方ないのかとは思えます。
とはいえ。
何よりまずは出費側を見直してほしいですね。
自分が老後を迎える頃には何らか変わっているのでしょう。
負担増は不愉快ですが制度崩壊は望みません。
バランスの良い着地点が見つかることを期待しております。