徒然 上の世代は恵まれていたのか?
たまに「上の世代は恵まれていた!今の世代は苦しい!」みたいな話を聞きます。
自分も何となくそうなのかな?という印象を持っていました。
ただ、自宅購入前に色々調べた際、そんなに恵まれていたと言えるのかな?と疑問に思えてきました。
当時考えたことを少し書いてみます。ほぼ妄想です。
<<条件>>
恵まれている人=リタイア世代。60歳~70歳あたりの人たちとします。
彼らが人生で一番高く付きそうな住宅を購入するとしてで妄想。
購入時の年齢=彼らが30代の頃。
西暦は1980年~1990年。バブルに向かう10年でしょうか。
<住宅ローン金利>
ローン検討の際に過去の推移を見てびっくりしましたが、当時の住宅ローンの金利は5%以上です。
自分の契約したローン金利は1%にも満たない数字でした。
しかも住宅ローン控除というキャッシュバック政策まであります。
<住宅価格>
物件検討の際に不動産会社さんとの雑談で聞きましたが、当時ピーク時の物件価格は自分の買った価格の1.5倍程度は確実に高かった様です。
年毎で上昇し、少し様子見たらまた上がっているみたいな状況だったのでしょうか。
その後バブル崩壊から長期下落の末に、自分の買った価格まで下がったのでしょう。
<給料>
初任給推移等で検索してみると、90年代前半までは一気に上がっていき、その後は緩やかに上昇したり微妙に下がったりまた上がったり、という感じですね。
<預金金利>
これも無茶苦茶で、当時は4%~7%くらいはあった様です。今は0%。
<株式>
ネット証券は2000年近辺からですから、まだ証券会社での取り次ぎのみですね。
手数料も今とは比べ物にならないくらい高く、売買単位も大きかったでしょう。
当時の生活を想像するに、物価が上がっていく=給料を貰ってそのまま置いておくともったいないという状況でしょうか。価値が下がりますし。
とっとと定期預金にするか、とっとと何か買わないとインフレに負けます。
とはいえ当時30代で一家の大黒柱として忙しく働いていた人たちです。
多額の定期預金を契約出来る程の余裕のある家計かどうかは疑問です。
なんとか残したお金を、計画的にこつこつと定期預金に振り分けつつ、高い金利でローンを組んで家を手に入れるという感じだったのではないでしょうか。
株に投資出来ていた庶民がどのくらい居たのかも疑問。
そもそもインターネット無いですからね。
何が有利か?みたいなのを調べようにも、さてどうしたら?みたいな感じだったのでしょう。
その後もインフレが続けば良いのでしょうが、所謂失われた30年に突入。
給料は思ったほど増えなくなり、定期預金も満期を迎えた後は継続する意味を失います。
バブル崩壊近辺で組まれた長期の定期くらいは儲かったのだろうと思えますけど、80年代前半の定期預金は単にインフレを追いかけただけのヘッジ程度の意味だったのかな?とも思えます。
それでも住宅ローンは続き、物件価格も下落傾向となります。
地道に定期預金を作ったり、ローンの組み換えをがんばったり、忙しく立ち回った人はインフレからデフレへのゲームチェンジを優位で乗り越えられたのかもしれません。
ただ、そういう立ち回りを出来なかった人はどうなのでしょう。
今も当時のローンの続きを返済し続けているのかもしれません。
色々考えて、自分は世代一括りで恵まれていたという印象は持てなくなりました。
結局アンテナが鋭くて、立ち回りの早い人が優位に立っているだけなのかもしれないですね。