アーリーリタイア 不労所得と貯金は同じ?

アーリーリタイアを計画していると、不労所得という言葉をちらほら見聞きします。

そもそも不労所得とは何なのか。

wikiを見てみれば、こんなことが書かれています。


利子、配当、賃料収入など投資による収益を指す場合や、有価証券や不動産等の権利自体を売買しその売買差益を指す場合、あるいはその両方を含める場合もある。


・・・場合や、・・・場合、・・・場合も。

場合三段活用です。

要は明確な定義は無いということなのでしょう。


リタイア後も何らかの形で生活費を捻出しなければ成らないわけです。

考えてみての結論としては、wikiに書かれている利子、配当、賃料収入、売却益といったものは不労所得とは到底思えない、となりました。


投資=不労所得と思えない理由

利子、配当、賃料、売却益を得るためには投資をします。

原資は庶民サラリーマンであれば、労働の対価として得た賃金でしょう。

賃金をそのまま使うか、投資してそこからのアガリを使うかの違いですね。


そして証券投資や不動産投資の行為そのものについてもどうなのか。

サラリーマンとしての労働よりは時間効率は良いとは思えます。

しかし情報収集その他で頭と時間を使い、相場の変動や空室状態にストレスを抱え、信用取引の維持率にもストレスを抱え、そして下手をすれば損失を抱えるリスクを取って、やっと得られる収益なわけです。

身体動かしてない=不労働=不労所得という乱暴な見方もあるのかもしれません。

しかしそれを言ったらホワイトカラーの面々は皆さん見事に不労所得ですね。


不労所得と貯金の違いは?

サラリーマンとして働いての賃金を使って生活するのは一般的な行為です。

そして貯金。これは能動的に貯蓄するか、余ったから結果的に貯まるのかはあるとしても、これも一般的な行為です。

その後、貯金をどう扱うか。


賃金を貯金して、貯金で生活をすれば勤労所得での生活。

賃金を投資して、収益で生活をすれば不労所得での生活?


そんな単純なものなのかどうか。

銀行預金ではなく、証券MRF口座に入れれば不労所得になるのでしょうか。

MRFはファンドだから投資?資産を取り崩すから不労所得?

さすがにこれは乱暴な理論と分かります。


ではMRFではなくMMFでは?債券では?不動産では?株式では?

違いは将来の価値が変動する可能性の大小、期待値の大小ですね。

違いは確かに大きいわけですが、いずれに投じたとしても原資はサラリーマンの賃金です。

そう考えればサラリーマンを出発点としての勤労所得と投資からの収益には大差が無いのかもしれません。


高給取りのサラリーマンであれば、50歳も過ぎれば単なる貯金だけでも1億円程度は作れるとも思えます。

サラリーマンの資産形成 1億円は簡単?

高給取りでも計画的に貯蓄を続け、50歳で遅めのアーリーリタイアをしたとして。

その後は貯金取り崩しで生活する場合、生活原資は不労所得です!と言えるのかどうか。

自分の感覚では、それはサラリーマン労働の対価であり単なる貯金です。

不労所得とは到底思えません。


ではリタイア後にMMFに全額を投じたら?債券を買ったら?REITのファンドに全額を投じたら?

リタイア後に退職金で見慣れない大金を得て、良く分からない投資話に乗ってしまう話も聞きます。

仮にリスク資産に資金をいきなり投じたとしても、そこから得られる収益は、到底不労所得とは思えないのですね。

通じてで見てプラスになるとは限りませんし。

サラリーマン労働の成果の賃金が姿を変えただけと言うのが近い気がします。


真の不労所得は?

色々考えてみると、真の不労所得というのは相当にレアなものなのでしょう。

思い付くものを挙げてみます。


コロナで騒がれての給付金。あれは確かに不労所得だったかもしれません。

ベーシックインカム的な政策が実現するのなら、それも不労所得と思えます。

相続財産。これも不労所得と言えそうです。

生活保護。これも不労所得でしょうか。


年金は不労所得にも見えますが、事前に地道に積み立てているわけで、そう考えれば不労所得では無いですね。

積み立てが少なければ受け取る額も小さいですし、状況によっては受給資格を得られないことになるのでしょう。

youtuberやブログの収益、特許料等みたいなものも不労所得の例で上がることもある様です。

しかしこれらも原資は自身の労働です。

対価の定まった時給労働をするか、対価が定まっていない労働をするかの違いですね。

後日他人様が価値を認めてくれたら良いですが、下手をすると丸損かもしれません。

しかし可能性を信じてのチャレンジなのでしょう。

自身の時間と労働を定価で売らず、評価される可能性を信じて投資しているということでしょうか。


でも株や不動産やyoutuberやブロガーは不労所得って言われているよ!

誰がそう言っているのかはピンと来ませんけれど。

例えばバイトで働いての1時間の対価。

サラリーマンとして働いての1時間の対価。

これは時間効率は随分違うと思えます。

取り組む仕事によって時間効率が違うのは一般的な話です。


そして株や不動産やyoutuberやブロガー。

これらも時間効率はピンキリの世界です。

株や不動産で大損したという話は普通に聞こえてきます。

youtuberやブロガーを自称するのは簡単ですが、食えるレベルに達するのは簡単とは思えません。

利益を増やすにはどうすべきか。

そんな事を日々考えて取り組んでいるのであれば、それは本業か副業かの違いはあれど、そういう職業です。

そして儲かるところに辿り着ければ良いですが、丸損となる可能性もあるわけです。

その場合の時間効率は最悪ですね。


サラリーマンを長く続けていると、同僚が独立するというイベントが発生します。

事務所を構えれば肩書は社長、今風に言えばCEOでしょうか。

食えるレベルで事業を維持出来るか、サラリーマンの稼ぎを越えられるか、株式公開まで届くのか。

結果はどうなるかは分かりません。

独立したら忙しくなった、しかし手取りは言うほど変わらなかったなんて話はよく聞きます。

幼いころは社長=すごい!なんてイメージでした。

リアルを知った今となっては、独立開業社長と聞いても、それほど羨ましくはありません。

投資についても今はリアルを知っています。

投資は不労所得!羨ましい!そんな声が聞こえてきても、え?そうなの?と思えます。


世間で言う不労所得=拘束時間が短く時間効率も良い仕事

結局、世間で言う不労所得は何なのか。

単に時間効率の良い仕事になるのでしょうか。

ではどのレベルまで効率が良ければ不労所得と言えるのか。


時給1000円のバイト・・・これを時間効率の良い楽な仕事と言う人は居ないでしょう。

時給換算3500円の正社員・・・今の自分はこの立場ですが辞めたいと思っています。


時間効率で言えば3.5倍もの差があるのに、リタイアしたくて仕方ありません。

理由は簡単で、どれだけの時間を拘束されるかという話になります。


正社員で勤める限りは、有給使っても年間拘束時間220日程度は当たり前の話です。

3500円×8時間×220日で手取り616万円。

悪い数字では無いですが、拘束率という単位を作るのであれば、220/365で60%ですね。


この60%が苦しいがためにリタイアを目指す。

時間効率が悪くとも、拘束率を下げたいという想いがある。

自由な時間が欲しい。

自分の例で言えば、週2日だけ働く拘束率30%、時給1000円のバイトの方が良さそうに見える。

これが正直な気持ちかな、となります。


世間で言われる不労所得。

ポイントは時間効率と拘束率ですね。

両方が成り立っている様に見える=なんだか羨ましい=不労所得!という程度の話なのでしょう。

実際には効率が良いというだけで働いているわけですが。


そんなわけで。


世間で言われる不労所得は、実際には不労じゃないよねという考察でした。

そして今、FIREブームなのかもしれませんけれど。

働きたくない、不労所得で暮らしたいとの話になりがちなわけですが。

もっと自由な時間を!という程度の話なのかもしれません。


投資は不労所得ではありません。

しかしおそらく年間での拘束率は5~10%も無いのでしょう。

さらに時間効率は資本積み上げで改善可能です。

時間効率が高く、拘束率も低いとなれば、確かに理想に近いです。

実際には難易度というパラメータもあるわけですが。


そしてセミリタイア等で言われるパートやバイトや副業。

時間効率は置いておいて、拘束率は比較的自由にコントロール出来るわけです。

投資+バイトとして、収入がサラリーマン時代より減ったとしても。

サラリーマン時代の拘束率よりも自由な時間が増えていれば、それはそれで充分に満足出来るということかもしれません。


サラリーマンとして稼いだ賃金をどう扱っていくべきか。

そのまま円として使うのか。何らか投資をして将来の価値の変化に期待をするのか。

インフレを考えず、手取り収入の半分で暮らせているのであれば、1年の稼ぎで2年暮らせることになります。

1/3で暮らせているのであれば、1年の稼ぎで3年暮らせます。

高給取りであれば、貯蓄だけでもリタイアを目指せるのかもしれません。


その域に届かない収入であれば?

投資を考えることになるのでしょうが、対象は何だって良いですね。

証券や不動産でも良いですし、事業を起こしても良いのでしょう。

youtuberやブロガーを目指すのもアリですね。

当然組み合わせての生活をするのもアリでしょう。


そしてサラリーマン生活の年間拘束率60%超。

これと比べて大幅に低い拘束率で生活が成り立つのであれば、どんな形だって良いですね。

ゴールの形は人それぞれ。

正解はいくつもあるということなのでしょう。


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