徒然 年功序列の終盤 昇給4700円
昇給の季節です。
会社の業績は良くないのですが律儀に昇給です。
今年の昇給額は4700円でした。
来年か再来年には基本給は上限額に達します。
以降は昇進しなければ給料は上がりませんが役職定年も見えています。
仮にサラリーマンを続けても、今後の給料は良くて横ばい、おそらくは減俸ということになるのでしょう。
勤めているだけで毎年昇給してきました。
数字が変わると気になります。
基本給はどんな推移で変化をしてきたのか。
早速家計簿漁りです。
基本給は左で指数化、昇給率は右。
過去のデータを見てみれば20年の勤務で約1.6倍。
2006年の急上昇は役職が付いての嵩上げです。
毎年の上昇率は2006年を除いての平均で1.64%/年。
投資であれば高利とも低利とも言いづらい数字です。
会社の業績は良くありません。
自分の評価は去年は入院もあって同じく微妙。
そして日本は過去何十年もインフレと無縁です。
となれば平均1.64%/年、20年で1.6倍の上昇の理由は?
いわゆる年功序列効果ということになるのでしょうか。
20年前の自分は32歳。
最近、働かないおじさんについて少し調べました。
50代のサラリーマンは若手の1.7倍のパフォーマンスを上げるべき!
そんなことが書かれていてうんざりしたのですが。
基本給の変遷を見れば確かに20年で約1.6倍。
近い数字を受け取っているということになります。
加えて今は役職その他の手当も充実です。
32歳の自分と52歳の自分。
手当込みで比較すると1.6倍どころの差ではありません。
見てみればざっと1.8倍。
これでは老害は去れと悪態吐かれても仕方ない?
とはいえ給料上がった実感は無いのですね。
どちらかと言えば減っている印象です。
冷静に明細を見直せば理由は簡単でした。
残業手当。
一定以上の役が付くと失われてしまう残念手当。
自分の30代の手取りは意外な位に多かったのです。
無茶な納期に無理に合わせるのが常態化して。
土日も休まず徹夜も厭わず働いて。
ストレス解消は同僚たちとやけ酒とやけ酒とやけ酒と。
そんな日々を過ごしていました。
確かに酷い時代だったのでしょう。
しかし結果として給料は潤って。
資産形成ペースを加速できました。
つまり自分のサラリーマン生活の給料は?
若い頃は長時間労働の対価の残業手当。
今は年功序列で上がった基本給と役職手当。
それなりに恵まれていたのかもしれません。
邪魔な老害として疎まれる年齢になりました。
幸いリタイアを狙える立ち位置なので気楽です。
残る同僚や部下達のことも多少は気にかかります。
これからの時代はどうなるのかを考えてしまいます。
働き方改革と言われます。
品行方正無理をせず。
確かに改善ですし良いことです。
成果主義の声も聞こえます。
年功序列は古いのでしょう。
確かに報われる人も居るはずです。
しかし人はそれほど変われるものなのか。
工程を見直しましょう。
標準化を進めましょう。
要員も増やしましょう。
無理なく働きましょう。
幾多の改善の果てに仕事は作業的になりました。
人も増えて残業は大幅に減りました。
とはいえ利益は増えずに減少傾向です。
結果として何が起こるのか。
減った利益を増えた人数で分け合う構図となりました。
今の30代の手取り額は?
我が社では20年前よりも大幅減は確実です。
時給は時代で確かに上がっているのでしょう。
しかしもう無理な残業は有りませんし出来ません。
そして年功序列制度。
アンフェアだと言われています。
成果主義が叫ばれますがどうなるのか。
若手全員の給料が上がる?
ヒエラルキーは変わりません。
報われるのは僅かな人数だけでしょう。
人も増えて昇格も昇進も厳しくなりました。
そして残される平凡な大多数は?
彼らからは定期昇給すらも奪われるのでしょう。
働き方改革の号令。
確かに労働時間は短くなりました。
成果主義の号令。
いつか年功序列は無くなるのでしょう。
残業手当と定期昇給は失われ。
平凡でも無理をすれば稼げる。
平凡でも長く続ければ稼げる。
そんな時代も同時に終わりを告げるのでしょう。
これからの時代に手取りを増やすには?
空いた時間で自己啓発。
空いた時間で副業。
良く聞こえてくる話です。
確かに理解は出来るのですが。
人はそこまで意識高く取り組めるものなのか。
手取りがまったく増えない?
成果は?自己啓発は?副業は?
呪いのように自己責任を問われ続けられるのかもしれません。
振り返ってみると。
自分は幸運だったのでしょう。
平凡でも無理をすれば稼げる。
平凡でも長く続ければ稼げる。
そんな時代の終盤を過ごすことが出来たのでしょう。
意識も低く平凡で時間を盾に成果を紡ぎ出す。
大多数を占めるであろうそんなサラリーマン。
そして自分もその中の一人だったわけですが。
これからは苦しい時代になっていくのかもしれませんね。