アーリーリタイア リタイア時の総資産を深読み

マイナビニュースの次の記事を読みました。

「FIRE」した1000人に聞いた、リタイア時の総資産は?

詳細は検索でもしていただくとして。
案外こういうアンケートは見かけたことが無かったので興味を持ちました。

第一印象としては、意外に割り切った金額でリタイアしている方が多いんだなと思えました。

資産額1億円以上は少数派です。
5000万円以上で見ても26%。
残り74%は5000万円未満で決断したということでしょう。
興味を持てるデータです。


ただこれ、せっかくのアンケートなのに、年齢と金額の情報がバラバラなのですね。
しかも年齢区分の方は上位5項目と書いてあって合計100%に足りていません。
せっかくのデータが雑に扱われており中途半端な記事になってしまっている様に思えます。


そんなわけでアンケート結果を深読みしてさらなる分析ごっこです。

※個人の主観に基づく分析ごっこです。
※まったくの見当違いの可能性も高いです。
※要は遊びです。


働き始めの年齢は今の日本では18歳~22歳、院卒であれば24歳?
めんどくさいので22歳就労スタートとして数字を作り直します。
年齢区分は見てみると6.1%程足りていません。
これを全て定年が近いおっさん系FIREとして数えることにします。

基本的には皆さん最初はサラリーマンとして地道に働いて稼いで資産形成を進めていくとして。
27歳~59歳までの推定資産額グラフを作ります。
そこにアンケートのFIRE割合とやらを重ねてみると・・・。

こうなりました。


ブルーはアンケートの年代別FIRE割合の1歳毎のウェイト。
オレンジは各年齢同率でFIREする人が居た場合のウェイト。
グレーはサラリーマン継続での推定資産額です。

オレンジよりもブルーが上回っている=年齢別均等割よりもFIRE率が高いということになります。
つまり傾向として若年層が平均以上にFIRE率が高く、中でも37~46歳あたりがボリュームゾーンと言うことになります。
そして47歳以降は平均未満となります。
これはある程度の年齢になると割り切って定年まで働こうと言う人が増えると言う事かもしれません。


次に資産額について深読みです。
推定資産額グラフから年代別の資産額を見てみると、こうなりました。

27~31歳・・・500万円~1050万円
32~36歳・・・1212万円~1989万円
37~41歳・・・2218万円~3334万円
42~46歳・・・3667万円~5242万円
47~51歳・・・5701万円~7834万円
52~59歳・・・8447万円~13214万円

年齢別で少しずつ投資可能な額を増やし、資産は4%で運用する前提としています。
案外普通?厳しい?少なすぎ?
そこは人それぞれということになるのでしょう。

この推定資産額推移をアンケートと同じ資産額区分で切って割合を出すと、こうなりました。
カッコ内はアンケートでの割合です。

2000万円未満・・・34.3%(↑↑42.2%)※1
2000万円~2999万円・・・15.5%(≒14.6%)
3000万円~3999万円・・・15.2%(↓11.3%)
4000万円~4999万円・・・14.6%(↓↓6.0%)※2
5000万円~9999万円・・・16.6%(≒13.1%)
10000万円~・・・3.8%(↑↑12.9%)※1

先ほどの結果を見れば、27歳~46歳あたりのFIRE率は平均以上でした。
これを27歳~36歳のグループAと、37歳~46歳のグループBに分けるとします。

各グループの年代での推定資産額をグラフから見てみます。

グループA・・・500万円~1989万円
グループB・・・2218万円~5242万円

しかしアンケートでのFIRE達成時の資産額を見ると、2000万円未満の層と、1億円以上の層が単純な推定資産額推移での割合よりも上回っています。(※1)
さらにはグループBでは本来ボリュームゾーンであるはずの3000万円~4999万円についてはアンケート結果から見れば推定資産額を大きく下回っているのですね。(※2)

これらの結果から妄想すると・・・

グループA(27歳~36歳)・・・資産を積み上げる以前で割り切ってのFIREをしている割合が高い可能性あり?→低資産型のFIREへ偏り?

グループB(37歳~46歳)・・・効率的な運用手法を用いることで、同年代での一般的な資産額を上回る1億円以上の資産を得てFIREしている割合が高い可能性あり?→高資産型のFIREへ偏り?


普通に働いて稼いで運用した場合、59歳までで1億円以上の資産を得られるのは年齢上位3.8%です。
乱暴な推定資産額推移から見れば55歳以上でやっと届く領域です。

また2000万円以下に注目した場合は、推定資産額から見れば36歳以下となります。

この2つの資産額グループについて、FIRE達成者の資産額から見た場合、年齢比例というだけでは説明が付かない程度に高めで出ているのですね。
このギャップはなかなか面白い結果になっていると思えます。


そんなわけで。

せっかく面白いアンケートだったのにデータが中途半端で面白み半減です。
特にFIRE決断した人の年齢別の資産額のデータが読み取れなかったのは残念です。
とはいえ想像力を働かせて深読み妄想をする余白があるという点では、ある意味面白い記事だったのかもしれません。


深読み妄想で思ったことを書いておきます。

ほとんどの人は働いての資産形成を地道に進めて、どこかの時点でその後の生活に自信が持てる状態になればそこでリタイアを決断しているということになるのでしょう。
そして、その中でも一部の人は効率良く稼いで増やしての実践を出来ているということでしょうか。

まずは働いて稼いで資産を積み上げる。
資産形成ペースは工夫をしてなるべく効率良く。
そして資産からの収益と生活費のバランスが取れそうなところで決行!

なんだか当たり前すぎるプロセスですね。
そして若いほどにその後の人生も当然長く、リスクファクターも増えるのでしょう。


若くして充分な資産を積み上げる。
それとも才覚に頼ってえいやで踏み切る。

自分にはどちらも無理だったわけですが。
どちらのケースもある意味経営者としてもプレイヤーとしても優秀と思えてしまいます。
そんな人たちを繋ぎ留められない会社組織とこの社会。
なんだか残念な構図とも思えます。


あと一つ意外に思った点。

FIREしている人というのは簡単に1000人くらいは捕まえられるものなんですね。
最近は定義も曖昧ですし。
FIRE達成率と失業率はどこで線を引くべきか。
この2つがニアリーになりつつあるのだとしたら、これはこれでシニカルな世界になりつつあると言えるのかもしれません。

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