サラリーマンの資産形成 リーマンショックの思い出

暴落楽しみ!買い増し!

そんなことを書かれているブログを見かけることもあります。


近年記憶に新しい暴落と言えばコロナショック。

バックグラウンドは上昇トレンド。

一気に落ちて一気に戻るスパイク型の暴落でした。

再来となるのなら良い買場になるのでしょう。


自分はコロナショックでほとんどを投げました。

そして再エントリ出来ませんでした。

リーマンショックが脳裏に浮かんで自信が持てなかったのです。

リーマンショックは実際どうだったのか。

経験者として当時のことを少し書いておきたいと思います。


リーマンショックは有名です。

しかしこれはコロナショックの様な分かりやすいスパイク型の暴落ではありません。

延々と続くボディブローで弱った果てにアッパー喰らって倒される感じ?

まずはサブプライムローン問題が騒がれ始めて。

じわじわと相場全体に重たい下落圧力が蔓延して。

何度もの騙しで投資家を招き寄せつつずるずると1年以上下げ続けて。

そして相場の底は一気に抜けて。

うんざりして取引をする気力すら残らない。

そんな相場でした。


2007年の9月。

サブプライムローン問題が注目され始めたことからか相場は下落傾向でした。

分かりやすいな。

そう考えて米国ベアを買い込みます。


2008年の3月。

相場は下に走り続け充分に利益が乗りました。

少し残して売却。

大成功!

その時はそう思っていました。


2008年の9月。

自分の甘さを思い知ります。

相場の底が抜けました。

ベアファンドのリターンは通算で1.6倍ほどになりました。

しかし他の損で利益は消し飛んでマイナスです。

自分は短期売買主体なので含み損を抱え続けることはありません。

とは言え酷い相場になった。

これからどうなるんだろう。

そんな風に感じたのは覚えています。


その後は相場にうんざりして離れて。

数年後見直してみたら意外な堅調に気付いて。

もう一度取り組んでみよう。

そう考えて株式相場に戻りました。


日本株はその後2011年の震災もありました。

ベストな買場は一体どこだったのか?

2007年は無いですね。

2008年の底抜け直後。ここは確かにベスト?

しかし2007年からの長い下落の果ての底抜け。

死に体に追い討ちをかける様な暴落です。

既に気持ちは折れていました。

未来を信じてそこで買えるのか?

ぶっちゃけ自分には無理でした。


とはいえ振り返ってみれば?

実際には何年もの長い買場だったのですね。

相場にうんざりしていたわけですが。

震災の少し前あたりから再度買い始めます。

もう充分に安いだろう。

配当を狙うのも悪くないかもしれない。

そして買い続けた果てのアベノミクス相場で稼ぐことが出来ました。


稲妻が瞬く瞬間。

確かにそういう瞬間はあるのかもしれません。

相場に一喜一憂せず積み上げ続ける。

持ち続けてこそ瞬く瞬間そこに立っていられる。

これは確かに正しいと思います。


しかし稲妻は一瞬しか瞬かないのか?

相場次第と思います。

リーマンショックの後は皆が死に体。死屍累々。

疑心暗鬼の相場が数年続いていたわけです。

確かに大底は一瞬。

しかし買場は何年も。

急ぐ必要はありませんでした。

本当に酷い暴落の後は買場なんて意識せずとも数年間は株は安値で打ち捨てられている。

株なんて誰も見向きもしない。

少しずつ買い集める程度でも充分に間に合う。

リーマンショックの後はそんな相場でした。


リーマンショックをホールドで乗り越えた投資家。

彼らのメンタルは半端ないと思います。

何より忘れてはならないこと。

誰もが乗り越えられたわけではありません。

退場を余儀なくされた人達の方が圧倒的に多いはずです。


コロナショック後の投資ブーム。

暴落は買い!

そう息巻く人達も今は多いのでしょう。

リーマンショックは1年以上の時間をかけて株価を延々削られた末のダメ押しでした。

3000万円のポジションがあれば1500万円?

買い増しでナンピン?

安く買えてお得?

たかが数百万円の追加では平均単価は大して下がりません。

その後も延々疑心暗鬼の中で含み損を抱えつつの追加投資?

大概な強メンタルが必要です。

暴落の後に始めることが出来たら?

それが一番幸運な勝ち組なのかもしれません。


大丈夫!

ホールドし続ければいつか上がるんでしょ?


いつかは数年後?10年後?20年後?

リーマンショックを生き延びた投資家。

リーマンショックで退場した投資家。

どちらも真剣に取り組んでいたのでしょう。

何故生き延びることが出来たのか。

何故退場せざるを得なかったのか。

自分だけは必ず浮いて勝てるはず?

そこまで甘い世界ではないのでしょう。


語られる相場は全て後解釈です。

相場は常に裏切ります。

天井と底は誰にも分かりません。

自分の許容出来るリスクはどの程度なのか。

見直しておきたいと改めて思います。


このブログの人気の投稿

年金額を確認してみる(53歳時点)

年金額を確認してみる(54歳時点)

更新打ち止め!

日本は貧しくなったんですよ

投資は危険!止めておこう!

バックルレスベルトが案外良い

現行NISAから新NISAへの移管で悩む

資産が増えていかない問題

割り切りFIREは実はEASY?

FIREを満喫出来る生活費?

このブログの人気の投稿

年金額を確認してみる(54歳時点)

更新打ち止め!

バックルレスベルトが案外良い

老後は郊外+戸建て+自家用車!

IPMN 定期検診

正月早々気が落ち込む

高速道路を1区間乗る

徒然 自己責任と無責任

アーリーリタイア 2000年からのFIRE実験