我に光を!と天を仰ぐサラリーマン
オフィスのトイレなんですけどね。
座って用を足しているとセンサーの問題なのか照明が消えるわけですよ。
微妙に体を動かしても暗いまま。
天を仰いでも暗いまま。
我に光を!と天に向かって無理気味に手を伸ばします。
するとやっとセンサーが反応してか照明が復活するわけです。
なんだか詩的な意味までもを感じられそうな儀式です。
検索すると「もっと光を!」はゲーテの言葉?
なるほど深い意味がありそうだなと考え込んでしまいます。
とはいえ単にカーテン開けてくれという意味だったとの説もあるとのこと。
何よりそれっぽい言葉にはゲーテ曰くと付けてしまえば大概何でも通じる説も。
ちょっと面白いですね。
暗いトイレで天に向かって手を伸ばして照明が回復です。
傍目なんぞないプライベート空間ですが他の面々も似たようなことをしているのかと考えてみると少しばかり笑えてきます。
小難しい顔をした偉そうな上長達も暗いトイレで天を仰いで手を伸ばしているのでしょう。
こぶしを突き上げるのか、手を大きく開くのか。
はたまた暗い個室の中で静かにただ座り続けるのか。
困ったなと顎に手を当ててみたりして。
これではまるでロダンの考える人?
個室の中では性格の差が出そうです。
ゲーテだのロダンだのでは小難しくて息詰まります。
もう少しライトな方向で考えてみると?
トイレ照明に音声リモコンでも付けてしまうのはどうでしょうか。
トイレで暗くなったら呪文でも唱えて灯を復活させるわけです。
件の呪文は検索するとこんな感じ?
「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」
我を助けよ。光よ甦れ。
ラピュタの有名なシーンですね。
シチュエーションは間抜けですが言葉としてはぴったりです。
トイレでは間抜けな考えが暴走します。
しかしセンサーはいつからこうなっているのか。
以前は普通に反応していた気がします。
もしかしたら長居するなとセンサーの感度をわざと弱めている?
いやいやまさか。
トイレくらいゆっくり使わせてほしいですね。
そこまで社員を追い込んで誰が一体喜ぶのでしょう。
とはいえ。
考えてみると喜びそうな連中はいくらでも居る会社でした。
センサー感度はわざと弱めてある可能性が高そう。
そう思い至った瞬間、楽しい気分は一切消えて一気に気分が落ち込んで。
うんざり気分で天を仰いでしまいました。